電子部品の欠陥を検査する工業用非破壊検査において、基板などを検査する自動装置の検査ラインは円周でなく、
直線の方が多いです。しかし、直線軌道は従来の手法を用いて3D情報を得ることが困難であるため、ただ1枚の2D情報で
欠陥を抽出していました。
弊社が提案した直線軌道の“並進CT”では、X線源、サンプル及びカメラに回転を付加しない直線移動の検査ラインでも、
3D断層情報を求めることができます。
“並進CT”技術を搭載した製品はTomoShop®
HT エディション シリーズです。このページでは、並進CTの基本原理について述べます。
1. 並進平行ビームと射影切片定理
並進平行ビームの各投影角度θに対して、投影データは次式のように表示できます。
上記の式にフーリエ変換を行います。
CT射影切片定理の数式は、次のようになります。
2. 並進平行ビーム(parallel-beam)CT再構成
CT射影切片定理から、正確なCT再構成式が導けます。
3. 並進ファンビーム(fan-beam)CT再構成
上記の正確な平行ビームのCT再構成式から、正確なファンビームCT再構成式が導けます。
4. 並進コーンビーム(cone-beam)CT再構成
並進ファンビームのCT再構成式を従来のFDKタイプに拡張すると、並進コーンビームCT再構成式が求められます。
5. 並進平行ファンビーム(parallel-fan-beam)CT再構成
並進平行ビームのCT再構成式を従来のFDKタイプに拡張すると、並進平行ファンビームスCT再構成式が求められます。
6. 並進CT再構成の例
下記に図は、並進コーンビームCT再構成の例を示します。