リングアーチファクト軽減

フラットパネル型検出器を用いたCT装置では、 CT再構成画像に下の図で示したようなリングアーチファクトが生じ、 サンプルを正確に評価することが困難な場合があります。 リングアーチファクトは、X線源の管電圧・検出器の画像積算枚数・ サンプルサイズなどと関係があります。

横 断 層 縦 断 層
ring_orignal_xy ring_orignal_yz

TomoShop® は、リングアーチファクトの特性とボクセル間の3次元関連性を利用して、 より高効率なリングアーチファクト軽減する方法を実装しています。 リングアーチファクト軽減した結果を、下の図に示します。

横 断 層 縦 断 層
ring_vert_xy ring_vert_yz


検出器の欠陥画素及び検出素子の感度ばらつき

リングアーチファクトの原因は、検出器に欠陥画素があること・検出器の各検出素子に感度の不均一さがあることです。

弊社は、X線画像の特性に合わせた最先端の画像処理技術を開発し、事前に撮影画像の欠陥画素マップを検出すると同時に検出器素子感度のばらつきを推定し、その情報を再構成に取り組むことによって、より有効にリングアーチファクトを軽減することができます。

実際の撮影軌道に誤差があって円周にならない場合、アーチファクトの特徴は同心円のリングにならないです。そのため、従来のリングアーチファクト軽減手法は役に立たなくなります。 欠陥画素マップと感度ばらつき情報を用いた手法では、事前情報を再構成に取り組むことによって、撮影軌道が円周でなくても有効にアーチファクトを軽減することができます。

アーチファクト軽減なしの再構成結果
アーチファクト軽減なしの再構成結果
同心円でないアーチファクトが確認できます


従来のリングアーチファクト軽減結果 欠陥マップと感度ばらつきを利用した再構成結果
従来のリングアーチファクト軽減結果 欠陥マップと感度ばらつきを利用した再構成結果
アーチファクトがある程度残っていて、
元画像の変形も確認できます
アーチファクトが十分に軽減され、
元画像が変形なしで再現できます


謝辞:
このページで表示したボリュームデータは、 産業技術総合研究所の三澤雅樹先生から頂きました。ここで、深い感謝の意を表します。