位相微分像からのCT再構成

X線Talbot干渉計及びTalbot-Lau干渉計を用いて、縞走査法で得た画像データから、吸収画像、位相微分画像、及び小角散乱画像などが計算できます。 これらの画像を用いて、CT再構成を行うことによって、対象物体の3次元CT画像を得ることができます。   

吸収画像と小角散乱画像は、X線入射方向の線積分になるため、従来のCT再構成技術が利用できます。位相微分画像は、微分方向の積分を計算した後、従来のCT再構成技術で利用できます。

但し、位相微分画像の微分方向とCTフィルター(Ramp Filter)の方向が同じな場合、微分方向の積分を行わなくても、3次元CT画像が再構成できます。 その理由は、周波数領域において、CTフィルター(Ramp Filter)が下記ように分解できるからです。

CTフィルターの分解

ここで、RampはCTフィルター(Ramp Filter)、 Diffは微分オペレータ、 DiffはHilbert Transformを表します。

弊社では、上記の分解式を用いたCTアルゴリズムをGPUで実装しました(TomoShop® F エディション シリーズのオプション機能)。

シミュレーションデータによる微分画像からCT再構成

前記分解式を用いた微分画像からCT再構成の有効性を試すために、3DのShepp-Logan頭部ファントムを用いてシミュレーション実験を行いました。
下図は、シミュレーション微分画像と再構成した3D画像の縦断面結果を示しました。

Phase CTSp Phase CT3D
図 1   シミュレーション微分像 図 2   再構成した縦断面像



機 能 位相CT再構成オプション
微分画像からCT再構成
微分画像の輝度補正
メーカー希望小売価格
参考価格(税抜) 100万円
参考価格(税込) 110万円
位相微分像からのCT再構成機能は、TomoShopのオプションとして製品化されています。 TomoShop F エディション シリーズに搭載可能です。